今回のランチェスター戦略の事例は、ミート戦略を愚直に行った(と思われる)「モンテローザ」について取り上げようかと思います。
そもそもミート戦略とは、強者が弱者に対して行う戦略であり、圧倒的な兵力差を活かす為に、弱者が行う差別化戦略を強者が類似するサービスで潰す戦略です。有名なミート戦略の事例には、マクドナルドがとったバーガーキングに対するミート戦略があります。
アメリカで大きなシェアを占めていたバーガーキングが日本上陸する際に、マクドナルドは、バーガーキングの一番の売りである「デカ盛りバーガー」を潰す為に、「メガマック」を開発し、市場を押さえました。
今回は、ミート戦略に類似する「モンテローザ」の戦略の変遷を書いていきたいと思います。
※前提として、類似=パクリではありません。モンテローザはワタミフーズとの訴訟の中で、「真似したとは言えない」との判決が下っています。しかし私の主観ではミート戦略かと考えています。
モンテローザをめぐる、類似店舗として有名なのは以下です。(右がモンテローザ)
これを「全く別のものを作ったら、たまたまネーミングが似ている飲食店があった」というのは無理がありますね。法的に問題かは論点ではないので、置いといて、実施している戦略はミート戦略です。(最後の白木屋ですが、私の調べた限り、白札屋の方が後発ですので、ミート戦略ではないですね。逆ミートでしょうか。今は存在しないので、失敗に終わっています)
さて、モンテローザのミート戦略は成功したのでしょうか。
2017年3月現在での各店舗数を見てみましょう。
モンテローザがIRを発表していないので利益状況はわかりませんが、この店舗数を見る限り、成功していると判断してよさそうです。
裁判沙汰は数知れないモンテローザですが、一貫してミート戦略で弱者を叩き潰す様は徹底しており、結果だけを見るならば、正しい戦略をとってきたのでしょう。この前のめりな攻めの姿勢は見習うべきかもしれませんね。
ちなみに、以下にモンテローザの裁判沙汰をまとめておきました。興味ある方はご覧ください。
居酒屋チェーン「月の雫」vs「月の宴」類似事件
店名やメニューなどを真似されて被害を被ったとして、居酒屋チェーン「月の雫」を経営する三光マーケティングフーズ(東京都)は、「月の宴」を経営するモンテローザ(東京都武蔵野市)を相手に、不正競争防止法に基づく表示の差止めと1億1000万円の損害賠償を求める訴えを起こした。原告側は「月の雫」と「月の宴」は酷似しており、客が抱くイメージも共通だと主張。「雫」の代表的な料理「引き上げ掬い豆冨」「本日の鮮魚」が「宴」のメニューに同じ文言が並ぶなど、客に混同されていることで「雫」の評価が下がっていると訴えている。「月の雫」は「東方見聞録」などを経営する三光マイケティングフーズが00年9月以降、東京、神奈川、千葉を中心に21店舗を展開。「月の宴」は「白木屋」「魚民」などを経営するモンテローザが02年9月から現在までに全国で26店舗を開店している。2006年に両社和解※出典日本ユニ著作権センター/裁判の記録2003下
居酒屋チェーン「和民」vs「魚民」類似事件
2003年12月26日、モンテローザは、居酒屋チェーン「和民」を経営するワタミフードサービスに対し、「『和民』に似た店名、看板を『魚民』がわざと使っている」と虚偽の事実を公表されたとして、3000万円の賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こした。それに対し、ワタミ側も名誉を傷つけられたとして逆提訴。互いに「店を混同させる手法があからさま」(ワタミ)、「赤地に白抜きの看板は外食産業の共通財産」(モンテローザ)と主張を対立させたものの、翌年12月17日、東京地裁で和解が成立。「魚民」が看板の使用を中止する義務はないことを「和民」側が認める、モンテローザ社が損害賠償請求を取り下げる、双方が今後、お互いを誹謗中傷しないことなどが条件。これにより「魚民」「和民」共存になった。出典モンテローザ – Wikipedia
この記事を書いた人
(胃腸が弱いけど、牛乳が好き!)